
〜人とは〜
我々學生俥屋は、人力車俥夫(婦)・女房集団である。
だがその前に当然の事ながら、我々は人と人との集まりなのである。
人と人との出会い・付き合いを大切にし、“義理人情”を重んじる事、これは仲間内だけのことではなく、學生俥屋の活動を通して出会う人すべてに対してそうあらんとする事である。
學生俥屋創成期の先輩方から代々受け継がれてきた、“一期一会”という言葉にその全てが凝縮されているのである。
〜俥とは〜
日々すべてが合理化、スピード化して行くなかで、あくまでも人の足に固執し、人の力で人を運ぶという一番単純かつ人間味のある方法を用いることによって、そこから生まれる一体感を通して、俥夫(婦)・女房の力強さや優しさ、汗と涙の心意気を感じ取ってほしい、そしてもっともっと人力車の輪、人の輪が広がってほしいというのが我々の願いである。
確かに、今や日本文化の歴史に刻まれた一片に過ぎぬ人力車ではあるが、ただ非効率であるという理由だけで過去の財産として消し去ってしまうのではなく、再び現実のものとして多くの人に乗って頂き、人力車の持つ優雅さや優美さを感じて頂きたいのである。
そして我々自身も人力車を通し、俥夫(婦)・女房それぞれの“粋”や“いなせ”ひいては“男らしさ”や“女らしさ”を追求している。
但しこれは、ただ昔ながらの俥夫(婦)・女房を演じるのではなく、我々が追い求めているのはあくまでも“今時の俥夫(婦)・女房”なのである。
我々はこの意味で単なるレトロを越した存在であるという自負を持っている。
〜推して知るべし〜
學生俥屋は、その活動内容が最初から提示されているわけではない。學生俥屋の一人一人が何をするべきか、何をしたら面白いかを考え、提案し、実行してゆくのである。したがってその活動の可能性は無限に広がっている。しかしながら、これは同時に一人一人の学生俥屋としての自覚と力量を要求しているということでもあるのだ。あとは推して知るべし。
上の文章は、毎年行われる人力車の曳き方を勉強する、安全講習会で配られる資料の一部で、先輩方が残したものです。
今も學生俥屋はこの精神にのっとって活動を続けています。
